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トリマーのしごと事情

更新日:2021年6月27日

ぼくが美容室に行くと、だいたい3時間から4時間くらい掛かります。

時間が掛かるから、スマホで本を読んでいることがおおいのですが、となりではなしていることがつい耳に入ってきてしまうことがあって、就職活動中の学生が、「就職どうしようか悩んでいるンですよ」って美容師さんにいってて、そしたら美容師さんが、「美容師になれよ! 美容師楽しいよ!!」って自信満々に言ってたことがありました。それを聞いてしまったぼくは、自信満々に「トリマーになれよ!」って言えないな~って思って、自分自身にガッカリしたことがありました。

「そもそもなんで美容院でそんなに時間が掛かるの?」って思ってるかもしれませんけれど、可能な限りまっ白にしてくださいってオーダーするので、そうすると、二回に一回は毛の根元からブリーチすることになるし、毛の根元からブリーチすると、だいたい4時間くらいかかるし、根元からブリーチしないときでも、3時間くらいかかったりします。以前はブリーチしてなかったから、カットと白髪染めでだいたい2時間くらいでおわっていましたけれど。

3時間とか4時間かかると、掛かる時間のぶん、金額も違ったりするし、いつも行くところだと、毛の根元からブリーチするときは、4時間かかってだいたい税込で20000円くらいで、3時間でおわるときは、だいたい税込15000円くらいだったりします。金額が高いと言えば高いのかもしれないけれど、でも、掛かる時間やら仕事量やら材料費とかを考えると、4時間かかるときは25000円くらいじゃないとフェアトレードにならないような気がします。けっきょく、自分が払ったお金で美容師さんが生活するわけだし、フェアトレードじゃないときは、フェアトレードではないぶんだけ、美容師さんが補うことになり、その補った分が、美容師さんの生活にしわ寄せしていくものだったりします。

さいきんだと、安いファストファッションが叩かれることがありますけれど、クオリティーの割に金額が安かったりしたときは、海外とかで安い賃金で働いている人のおかげで、その人が補ってくれているおかげで、消費者が得をするようなところだと思います。日本でも同じようなもので、仕事量のわりに給料が安いときは、商品が安すぎなのかもしれないし、商品が安いと喜んで買っているようだと、自分の給料を安くしている原因になっている可能性があるのかもしれません。

さて、たまにはトリマーのしごと事情のことをお伝えしようと思いますけれど、トリマーの仕事も美容師と同じで、おもに働いた時間のぶんを、お金として頂いているわけですが。だから、おもに、掛かった時間の分の金額を頂かなくてはいけないわけです。その要素に加えて、仕上がったクオリティーの分をお金として頂くこともあったりします。そしてもちろん仕上がりのクオリティーは、人それぞれ違うところがあるし、クオリティーのぶんは、頂くお金のプラスアルファの要素になります。

仕事としては、ふつうに生活できるくらいのお金を頂かないと、ギリギリの生活になってしまうし、ギリギリだと、生活が破綻する可能性が高いし、もし生活が破綻するくらいのお金しか頂けなかったら、誰かがその人を支えるか、もしくは、転職するようになるわけです。

だから、トリマーとか美容師っていうのは、ふつうに生活できるぶんのお金を、働いた時間のぶんで頂くお金で、まかなえなくてはいけなくなります。まかなえないときは、職業としては成立してないような気がぼくはします。ふつうに生活できるようになってはじめて、職業として成立できるのだと思います。さいきんだと、ユーチューバーがいい例かもしれません。

そして残念なことに、トリマーはまだ、職業として成立できていないと、ぼくはそう思います。ほとんどのトリマーは、誰かに支えてもらいながら生活しているはずです。だから、テナントを借りてトリミングのお店をやっている人より、自宅開業みたいな感じでやっている人が多かったりするし、雇われているトリマーとかだと、ひとり暮らしできるくらいの給料になることはほとんどないし、給料が上がることもないし、けっきょくのところ、トリマーという職業は、自立できていない職業だと思います。

ではなぜ、自立できていない職業になっているのかというと、それは、トリミングの金額が安い相場になっていて、その相場の金額だと、ふつうに生活できないくらいの給料にしかならないからです。

美容院とかだと、カットが一時間くらい掛かってだいたい5000円~6000円くらいだと思うし、カットとカラーをやったとすると、二時間くらいかかって、だいたい10000円~12000円くらいのような気がします。それ以下の金額だと、美容師さんはきっとギリギリの生活になっているような気がします。

これがトリミングだと、トイプードルのシャンプーコースがだいたい一時間くらい掛かって、金額が3500円~5000円くらいだし、もっと問題なのがトイプードルのシャンプーカットコースがだいたい2時間くらいかかって、5000円~7000円というところがおおかったりします。倍の時間が掛かっているのに、金額が倍になっていないという、小学生レベルの計算がトリマーにはできていないのです。2時間くらい掛かるのなら、美容院と同じように10000円から12000円くらいになっていなければ、生活できるぶんの給料にならないのです。

だから、トリミングの相場の金額を上げることが、すべてのトリマーの課題だと思います。なかには、トリミングの金額を上げるなんて高すぎだと思っている人がいるかもしれませんが、トリマーがふつうに生活してなにがいけないのでしょうか。すべての職業に言えることですが、ふつうに生活できるお金を頂くのが、それが大前提だと思います。

ここ数年のあいだ、トリマーになりたいって言うことを聞くことがおおかったのですが、そのときに、「トリマーになれよ! トリマー楽しいぞ!!」って、そのときも自信満々に言えませんでした。自分自身もそうだったけれど、超低賃金で、福利厚生もなかったし、そんな職業を自信満々にすすめられないけれど、だけど、それではいけないはずです。

「トリマーになれよ! トリマー楽しいぞ!!」って自信満々に言えるようにならなければいけないような気が、ぼくにはします。



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