2021年9月19日読了時間: 4分

５ミリ

トイプードルのアロちゃん。あまり激しい感じはなく、ほどよいおっとり系です。フレンドリーだし、男子うけするような、そんなもてる女子みたいなアロちゃんです。

アロちゃんは、前回、５ミリのバリカンで全身カットだったので、まあだいたい１センチ～２センチくらいの毛の長さがあるカットスタイルでしたが、今回は、身体が５ミリのバリカンで、脚はハサミで揃えるくらいなので、身体の毛は１センチ～２センチくらいの毛の長さがあって、脚はどのくらいの毛の長さになっているのかわかりませんけれど、脚はほどよいくらいの毛の長さになっています。

そもそもなぜ、５ミリのバリカンでカットしているのに、毛の長さが５ミリではなく１センチ～２センチくらいの毛の長さになっているのか疑問に思うところだと思いますが、５ミリのバリカンでカットして毛の長さを５ミリにするには、毛の生えている方向とは逆からバリカンをいれる必要があります。人間の美容院とかだと、毛の生えている方向とは逆からバリカンをいれるので、「今回はツーブロックのブロックを前回より長めにしてください」って伝えると、「前回はブロックは９ミリだったので、今回は１３ミリでいれてみますね」って言うことになり、実際の毛の長さも、だいたい１３ミリくらいだったりします。

これが犬のトリミングになると、身体の毛は、基本的に、毛の生えている方向と同じ向きでバリカンをいれます。毛の生えている方向と同じ向きでバリカンをいれると毛が寝るということもあり、５ミリのバリカンで毛をカットしても、５ミリ以上の毛の長さになったりします。毛が寝ながらバリカンで毛をカットされるということは、、毛を立たせると毛の長さが不揃いになっているので、バリカンでカットしたあとにハサミで毛を揃える作業をします。

そして、その犬種によって毛質が違うから、同じ５ミリのバリカンでカットしたとしても、その毛質によって、毛の長さがだいぶ違ったりします。そんな感じなので、ほとんどのトリマーは、毛の生えている方向と同じ方向にバリカンをいれるときは、毛が何センチになるのかほとんど意識してないし、毛の長さが何センチになっているのかわかっていないはずです。

犬のトリミングって、毛の長さが何センチになっているのかを意識しているわけではなく、見た目の印象の感覚で、長めのカットにしたり、短めのカットにしてたりします。だから、毛の長さを実測すると、短めのカットなのに、長めのカットよりも毛が長いということも実際にあったりします。そして、飼い主さんも見た目の印象の感覚で判断しているので、これから寒くなってくると、前回よりも長めのカットが多くなってきますが、前回よりもたった３ミリくらい毛を長めにするだけで、だいぶ毛が長くなったような感覚になったりします。たった数ミリの違いが、暑さ寒さにどの程度影響しているのかわかりませんが、見た目の印象はだいぶ変わった感じがします。

そんなわけで、カットスタイルのことを説明するときに、身体は５ミリで脚は１６ミリって簡単に説明してたりしますが、正確に言うと、身体は５ミリのバリカンでカットして、毛の長さは１センチ～２センチくらいの毛の長さになっていて、脚は１６ミリのアタッチメントコームで、毛の長さはその脚の部位によってさまざまな長さになっています。ということになります。

ということなので、トリミングのオーダーをするときは、毛の長さを何センチにしてくださいってオーダーするよりは、「温かい感じに」とか、「涼しげに」とか、「長め」とか、「ものすごく短く」とか、そんな感じに伝えてもらった方が伝わりやすいかもしれません。