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執筆者の写真Eita Kitazawa

擬人化

ワイアーフォックステリアのブリジット。わが家の愛犬です。寝ることが大好きなブリジットです。


犬を飼うと、愛犬を擬人化してしまうものです。動物と人間ではこころの構造が違うので、綺麗とか美しいとかカッコいいとかかわいいとか、そういう美的な感覚が動物には備わってないから、「きょうの首輪はかわいいね! ブリジットにとてもお似合いだよ!」って言ったところで、犬にはまったく伝わらないわけですけれど、だけど、「きょうの首輪はかわいいね! ブリジットにとてもお似合いだよ!」って言っている飼い主の感情は犬に伝わるので、その感情に反応して犬はよろこんだりします。だから犬には、かわいい首輪より体に快適な付け心地がいい首輪の方が、じつはよかったりします。

犬を擬人化していることがわかっている分にはとくに問題はないのですが、テレビとかSNSなどでは、擬人化した犬のことを本来の犬のように伝えているし、それを鵜呑みにすると現実とのギャップができてしまい、そのギャップによって、犬のプロの人と一般の飼い主さんとのあいだに対立ができてしまうことがあります。たとば、僕なんかだと、ペットホテルでワンちゃんをお預かりするときに、飼い主さんは擬人化した愛犬のことをいろいろと伝えてくるわけですが、たしかに家にいるときの愛犬は飼い主さんとこころが繋がっているので擬人化されて擬人化した犬になっているけれど、飼い主さんから離れてペットホテルでお預かりするときには、飼い主さんとのこころの繋がりがなくなって本来の犬になるので、本来の犬との接し方をするようになります。その本来の犬との接し方が飼い主さんにとっては納得いかないのはわかりつつも、本来の犬との接し方をするしかなかったりします。

本来の犬っていうのは、野犬を思い浮かべていただくのがいちばんわかりやすいかもしれません。野犬が保護されて怯えて震えている姿を見たときにかわいそうだと思うかもしれませんが、いきなり捕まえられたら、怯えて震えるのが当たり前です。愛情を受けたことがないからこんなに怯えるんだと思うかもしれませんが、人間のこころと繋がったことがないわけだから、野生の動物と同じで人間に敵対して怯えるのが当たり前だったりします。

ペットで飼われているワンちゃんは、ペットホテルでお預かりしても、さすがにそこまで本来の犬に戻らないことのほうが多いけど、だけど、いつもよりは本来の犬に戻る傾向があります。ペットホテルでお預かり中におさんぽに行きます。と、うたっているお店があるけれど、現実では、おさんぽに行けるくらいの心理状態のワンちゃんは少なめで、緊張しておさんぽに行けないわんちゃんの方が多いです。そして、そのようになるのが犬としてふつうのことなのです。

いまの世の中は犬を擬人化しすぎです。本来の素の犬のことが理解されるようになっていけば、犬の飼い方も変わっていくだろうし、保護犬の解釈も変わっていくはずです。保護犬の解釈が変わっていけば、攻撃的な文句を言うこともきっと減っていくはずです。



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